真正面から取り組む意味 YAMAHA NS-1000M
stereo誌 2010年7月号の巻末に久しぶりに見るヤマハNS-1000Mの記事があった
ほんっと久しぶりのセンモニの活字である

編集部員のオーディオ日記との位置付けであるが、ここ数年のステレオ誌においては編集子が
評論家に代わってオーディオ機器のインプレッションを行ったりしていることもあり、
惜しまれつつ(?)終了した、 「 音の館 」 のような素人集団のお遊び的実験と結果発表では
すまなくなっているのも事実
未だに「 音の館 」においてアキュフェーズのアンプが1万円未満のデジタルアンプに負けたという記事が
都市伝説のように語られている
したがって日記というタイトルであっても専門誌としてのスタンスと知識が要求されるのは
言うまでもない
お金を取る商業誌である以上、我々のようなブロガー以上の内容を求められるのは当然である
もちろん商業誌なのだからそこはブロガーの語りではなくライターとしての切り替えが出来る事が必要だが
さてNS-1000M第一回の記事であるが、「 改良記となるか 改悪記となるか? 」 との
ことであるが、メーカーの生産も完了して10数年も経過するものであるから、メーカーからの
アフターケアも終了しているので自己責任で改造することには何のお咎めもない
だが基本的にはNS-1000Mは内部に手を入れるべきではない、と考えている
低音が出ない ベリリウムユニットからの音がキツい なとという不満を唱える方々もいるが、
本体に手を入れずとも 私を含めセンモニをそこそこ鳴らしこむことに成功しているケースも
少なからずある訳で、それを安直にやれ改造だ対策だというのは いかがなものかとも思うのだ
まぁそんなことを言っても ありがたいことに久しぶりにセンモニを題材にしている訳でもあるし、
改造記を読んでみよう
今回の記事はユニットの対策と内部の吸音材を少し減らした改造を行っている
ただ、ユニットの対策にしても単にブチルゴムを貼り付けているだけのデッドニング
だけであり、長年ステレオ誌を購読している読者からすれば、枕とはいえこんな安直な
レポートでは先が思いやられる・・・
stereo誌バックナンバーにおいてNS-1000Mの対策や使いこなしは何度か
掲載されており、改造においては 故・長岡鉄男氏のバスレフ化の提案や、藤岡誠氏の内部配線の
7Nケーブルへのすげ替えや、細いケーブルしか入らない純正端子を大型入力端子に交換すると
いった記事があり、また、ユニットの対策は金子英男氏や入江順一郎氏(いずれも故人)の
記事にて応用が可能だ
吸音材を減らすテクニックは、すでにネットでは実践済みなのである
今あえてセンモニを商業誌という表舞台に出すということは、オーディオ評論家たちが
行ったこれら対策の集大成に、新しい試みを加えた内容でなければ焼き直しの陳腐な
記事のページでしかないと思うのだ
ところでいつもなら対策を施すのに何の躊躇いもなく行う私であるが、ことセンモニに
関しては内部への対策を施す事をしていない
ハッキリ言うが、NS-1000Mにおいて、私自身は上に記してある内部への改造など
簡単に実践できる
なぜ改造をしないのか?
鳴らしにくいとさんざん云われているヤマハNS-1000Mを私の手腕によって鳴らすためである
己のオーディオの知識やテクニックを総動員し、駆動系に頼り切らずにセンモニを鳴らすこと
それが答えである
強力な駆動力を持つアンプでなければ鳴らしきれないという誤解も未だにある以上、
うまく鳴らすのはノーマルの個体でなければならない
内部に手を入れたいわば再現性の薄いセンモニで、どんなに良い音で音楽を奏でているよと
言っても説得性は薄いことであろう
それに、内部に手を入れるということで鳴るようになっても、それではセンモニは
改造しなければまともに鳴らないスピーカーであると認めてしまうことになる
だから改造をしないのである
しかし、充分にうまく鳴りきれたセンモニを体現できたのであれば、
“ 次のステージ ” に上がるための改造は やぶさかではない
センモニを鳴らしきれてもいないのに改造に走ることに異議を唱えている、ということである
2010年 ステレオ誌のセンモニへの挑戦、 とくと拝見しようではないか★
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NS-1000Mのボディにポートを開ける改造は期待しても、目新しい事をやるようには
思えない期待の薄さが入り混じっています
いち編集子の行えるレベルではないのは承知ですが、どうせやるのなら21世紀のセンモニとして、
その能力を存分に発揮できるようにと、ネットワークを新調する記事くらいは
やってもらいたいですね
AA誌でしたか、評論家の福田雅光氏がJBLの4343のネッワーク等を自作・リニューアルする
連載記事がありましたから、やるからにはそのくらいのものを期待しているのです
まぁ3ウェイのネットワークともなると流石に私も手に終えない領域でもありますけれどね(笑)