カセットデッキの性能はオープンリールよりも劣っているのはテープの幅や走行速度から歴然である 音も悪い
テープ走行速度も遅いので、無音時に耳につくサーともシャーともいうノイズ ヒスノイズが気になる
弱音時にこのノイズが聞こえるのは耳につく かといって聞こえないようにすれば高音域が犠牲になる
ヒスノイズは磁気録音では避けられない現象だそうだが、これを低減できれば品位が向上するともいえる
そういう事で色々な雑音低減機構 ノイズリダクションシステムが開発されるようになった
私はノイズリダクションというのが好きで、録音時に起こるある種、 避けられない運命から
救ってくれる存在のようにも思ったりした(笑)
最初に使ったノイズリダクション ( NR ) は、ドルビーBだった
これはカセットデッキに初めから搭載されているもので、NRの標準といえるものだった
その後オーレックスが開発したNR adres方式の単体ユニットを購入し、
テープヒスが本当に消える事を体験し、愕然とした
ただ外付けの単体ユニットではNRの動作基準のためのキャリブレーションを取る必要があったので、
効果は最高だったが、使いにくいものであった
そして何年か経過し、ドルビーCとドルビーHXプロを搭載したDENONのカセットデッキDR-70を購入
ドルビーCは確かにヒスノイズを軽減したけれど、それはドルビーBとの比較であって、
後発でありながらadres NRとの比較では効果は弱かった
それでもキャリブレーションから開放されるのはありがたかった

そして真打ち(笑)登場となる
ダイナミックレンジ拡大とヒスノイズ低減率が最大とされるdbxノイズリダクションの導入だ
adresと同様の圧縮伸張方式であるが単純な動作方式のために色々な調整が不要
これもアドレスNR同様 単体ユニットを購入した
もっともdbx社のユニットではなく、dbxを数多くの自社カセットデッキに搭載していたテクニクス製だ
( 余談だが、VHSのハイファイ規格にはこのdbxの圧縮伸張方式のノウハウが使われている )
効果は確かに最大級であったし、操作も楽 adresユニットもそうだがこのdbxユニットも、
圧縮・伸張回路が独立している機種なので3ヘッドデッキでは同時モニターが可能
その当時では音源がスルーではないのか?と疑うほど音質の差が少なくヒスノイズも皆無だった
ただ世間の評判どおり、音源の内容によっては圧縮伸張におけるブリージング現象と呼ばれる、
息継ぎのような音の一瞬のズレを感知してしまうケースもあった
(後発方式のadresはドルビー方式とdbx方式の特徴を有しており効果的で副作用の少ないNRとされている)
ノイズリダクションを使うと音が狂うので使用を嫌う方も多いが、私はこういう付加装置的なものは好きである
基本的にはどのノイズリダクションもカセットテープとカセットデッキの性能を向上するためのものであり、
レコードやFM音源を録音するだけでも、四苦八苦しなければならない状況から脱却できるアイテムだと考える
90年代初頭にノイズリダクションの決定版としてドルビーSが登場したが、
その頃の私はエアチェックといった録音行為には興味が薄れはじめていたので、
アナログ録音機最後のNRといわれるドルビーSシステムの導入計画は初めから存在していなかった
また、ABCD以外のノイズリダクション・・・ハイコムやスーパーD、スーパーANRSは、
単体ユニットの入手が困難かつ搭載されているデッキ数の問題で対象外であったことを記しておこう
基本的にNRを使用すれば多かれ少なかれ副作用が生じるのはわかってはいるが、
私にはあのサー音が、消えることの方が意味が大きい
そういう意味で私には 録音の友・レコパル と、いうべきものかもしれない